🤔「最近の若手って、上司と合わないとすぐ辞めるんでしょ?」
よく耳にするフレーズです。
でも、転職エージェントとして肌で感じるのは、実は彼らの方がずいぶん冷静だということ。
「上司ガチャ」という言葉が広まって、人間関係で悩んで衝動的に辞める若手のイメージが先行していますが、データを見ると話が違ってきます。
そして面白いのは、20代の若手の冷静な対応の仕方、30代以降の人たちが学べることがけっこうあるんですよね。
人間関係の不満って、年齢を問わず転職を考える大きな引き金になります。
でも、その不満との付き合い方を間違えると、転職市場で損をすることが多い。
今回は20代を対象にした調査データをベースに、人間関係の不満との向き合い方を、採用エージェントの視点で整理していきます💡
意外と冷静すぎた20代の「上司ガチャ」対応📊
まずは数字から見ていきましょう。
株式会社ペンマークが2025年6月に公開した若手社員意識調査。20代の若手社会人176名(1996〜2005年生まれ)に、「『上司ガチャに外れた』と感じた場合、どのような行動を取りますか」と聞いた結果がこちらです。
📊 上司ガチャに外れた時の行動(複数回答)
我慢して様子を見る:28.4%
周囲の信頼できる人に相談する:22.2%
距離を置く・かかわりを最小限にする:17.0%
転職を検討する:5.1%
異動や担当変更を申し出る:1.7%
「最近の若手=合わなかったらすぐ転職」のイメージとはまったく違う結果。
むしろ、最も多いのは「まず我慢して様子を見る」、次が「周囲に相談する」「距離を置く」と、防御的で慎重な対応がほとんどなんです。
転職という最終手段を選ぶのはわずか5.1%。
20人に1人しかいません。
参考までに、マイナビの「転職動向調査2026年版」では、2025年に転職した正社員の転職理由3位が「職場の人間関係が悪かった」(20.0%)で、全世代に共通する大きな転職理由になっています。
それでも、最近の若手は人間関係の不満を即離職に直結させない傾向が見えます。
ペンマーク社のコメントも興味深くて、「我慢・相談のフェーズは、若手社員が離職という最終決断に至る前の“猶予期間”」だと分析しています。
冷静に状況を見極めようとしているんですよね。
SNSやネットで多様な選択肢を子どもの頃から見てきた世代だからこそ、感情だけで動かない冷静さがあるのかもしれません。
「上司ガチャ」で本当に問題になっているのは?
では、どんな上司に対して「ガチャに外れた」と感じているんでしょうか。
同じペンマークが2025年6月に公開した「働きたくない上司の特徴」調査では、こんな結果が出ています。
📌 働きたくない上司の特徴トップ3
1位 高圧的・威圧的な態度:61.9%
2位 感情的な言動が多い:54.5%
3位 指示が曖昧・矛盾している:42.6%
スキルや能力よりも、人格・人間性に起因する項目が上位を占めているんですよね。
つまり「上司ガチャ」というカジュアルな言葉で表現されていますが、その実態は心理的安全性の問題です。
気分次第で言動が変わる上司、部下を尊重せず威圧する上司の下では、若手は萎縮して挑戦できなくなる。
これは20代に限った話ではなく、全世代に共通する問題ですよね。
エージェントとして相談を受ける中で、「上司と合わない」「人間関係が辛い」と言われた時に深掘りしてみると、ほとんどがこの3つのいずれかに行き着きます。
✅ 感情的な指導・八つ当たり
✅ 高圧的な物言い・人格否定
✅ 指示の曖昧さによる手戻りとストレス
逆に言えば、これらが整っている職場は、人間関係でのストレスが大幅に減ります。
「次の転職先で何を確認するか」を考える時の、けっこう具体的なチェックポイントになるんです👀
すぐに辞めない方がいい理由💡
エージェント視点で、「上司ガチャに外れた」と感じた時にすぐ辞めない方がいい理由を3つ整理してみます。
📌 理由1:在職中の転職活動と離職後では、企業側の見方が違う
在職中の転職活動は「現職を続けながら、より良い環境を冷静に探している」と評価されます。
一方、離職後の活動だと「何か問題があって辞めざるを得なかった」と勘繰られやすい。
同じ人でも、動くタイミングで印象が変わるんですよね。
📌 理由2:上司の不満が転職理由だと、書類選考・面接で評価が下がりやすい
「上司と合わなかった」と前職の理由を語ると、面接官は「うちでも同じことが起きるのでは」と警戒します。
同僚や上司の悪口に聞こえる発言は、人格や協調性まで疑われる原因になる。
これは中途採用の現場で繰り返し起きていることです。
📌 理由3:今の職場でも、上司の異動・組織変更で状況が変わる可能性がある
日本の企業は人事異動が頻繁です。
半年〜1年で上司が変わることも珍しくない。
「我慢して様子を見る」という若手社員の対応は、実はこの組織構造を踏まえると合理的な戦略でもあるんです。
エージェントとして相談に乗っていると、感情のピーク時に動いた人ほど、転職先でも似たような不満を抱えるケースが多い。
冷静期を挟むことで、本当に転職すべきなのか、それとも環境が変わる可能性に賭けるのか、見極めができるようになります。
20代の「我慢して様子を見る」「周囲に相談する」という慎重な初動は、合理的でもあるんですよね。
でも「我慢」と「準備しない」は別物🔍
ここで気をつけたいのが、
「我慢して様子を見る」と
「何もせずただ耐える」は別物だということ。
後で後悔している人に共通しているのは、限界が来るまで何の準備もしていなかったパターンです。
「もう無理だ」と思った瞬間に、職務経歴書を書き始めて、転職活動を始める。
これだと、感情のピーク時の判断と準備不足が重なって、いい選択ができなくなることが多い。
冷静に動くなら、こんなサインが見えてきたら準備モードに入っておくのが安全です。
✅ 心身の不調が2週間以上続いている(睡眠障害、食欲低下、出社時の体調不良)
✅ 明確なパワハラ・モラハラ・ハラスメント行為がある
✅ 3ヶ月以上、状況が改善する見込みが見えない
✅ 上司・人事への相談ルートが機能していない
これらが当てはまる場合は、すぐ辞める必要はないですが、動ける状態を整えておくべきタイミングです。
ここで言う「動ける状態」とは、職務経歴書が最新で、スカウト型サービスに登録したり、求人サイトで求人を探したりと、いつでも面談に行ける状態のこと。
動かないにしても、動ける状態を整えておくだけで人間関係の不満との向き合い方は大きく変わります。
「いつでも動ける」という安心感が、今の職場でのストレス耐性を上げてくれるんですよね💪
人間関係の不満を、転職市場で前向きに翻訳する📝
仮に「動こう」と決めた場合、避けて通れないのが面接での転職理由の伝え方。
これは本当に大事なポイントなんです。
❌ NG例
「上司のパワハラが酷くて」
「人間関係が悪い職場だったので」
「上司と合わなくて辛かったので」
これらは事実かもしれませんが、面接で直接伝えると、面接官は「うちでも同じことを言うのでは」「環境のせいにする人なのでは」と警戒します。
同情はしてくれても、評価にはつながらないんです。
ではどうするか。「過去への不満」を「未来に求める環境」に翻訳するのがコツです。
✅ OK例
「成果に対するフィードバックがもらえる環境で、もっと成長したいと考えました」
「チームで建設的に議論できる文化の中で働きたいと感じています」
「指示の背景や意図まで共有してもらえる、対話型のマネジメントが行われている環境を探しています」
過去に何があったかではなく、これから何を求めるか。
同じ事実でも、未来志向で語ると印象がまったく変わります。
そして、この翻訳作業をやる前提として大事なのが、自分の経歴と求めるものを冷静に整理しておくこと。
感情が乗ったまま職務経歴書を書くと、不満や恨み節がにじみ出てしまいます。
そんなときに使えるのが、AIで履歴書・職務経歴書を作るキャリパ。
インプットは箇条書きで現職の業務を書くだけで、AIが採用市場で評価される文章に整形してくれます。
採用実務経験を持つコンサルタントが監修しているので、「採用担当者が読んだ時にどう映るか」の視点で書類が組み上がる設計です。
完全無料で使えます。
書類を整える作業の中で、「自分が何を経験してきたか」「次に何を求めているか」が自然と整理されていく。
感情が落ち着いてから、面接での伝え方を組み立てる流れがおすすめです。 👉 https://caripa.talentier.jp/
若手から学ぶ、人間関係不満の処理法✨
ここまで見てきて、20代の若手の「上司ガチャ」対応から学べることをまとめてみます。
📌 すぐ動かない(まず様子を見る、周囲に相談する、距離を置く)
📌 不満の正体を見極める(高圧的?感情的?指示が曖昧?)
📌 でも準備は始めておく(動ける状態は整えておく)
📌 動く時は感情ではなくデータで判断(自分が次に求める環境を言語化する)
こういう冷静な対応を取れているのは、選択肢が見えているからだと思うんです。
労働市場の流動性が高くなって、「今の職場がすべて」じゃないという感覚を持っている。
だからこそ、即座に飛び出さなくても安心していられる。
これは30代以降にもそのまま当てはまる話で、「いつでも動ける状態」を整えておくこと自体が、人間関係の不満との向き合い方を変えてくれるんですよね。
今すぐ辞める必要はない。
でも、辞められる準備はしておく。
エージェントとして見てきた中で、いい転職をしている人の共通点は、感情のピークではなく、準備が整った状態で動いていること。
若手世代の冷静さは、まさにこの「準備のある余裕」から生まれている気がします🌟
人間関係でモヤモヤしている方は、衝動的に動くのではなく、まずは自分の現状を整理する作業から始めてみてはどうでしょうか。
それだけで、次の一歩がずいぶん見えやすくなるはずです。
出典
株式会社ペンマーク「Z世代若手社員意識調査『上司ガチャに外れたと感じた場合の行動』」(2025年6月公表)
URL: https://corp.penmark.jp/news/20250620
株式会社ペンマーク「Z世代若手社員の意識調査『働きたくない上司の特徴』」(2025年6月公表)
URL: https://corp.penmark.jp/news/20250619
マイナビキャリアリサーチLab「転職動向調査2026年版(2025年実績)」(株式会社マイナビ・2026年3月公表)
URL: https://career-research.mynavi.jp/reserch/20260323_108572/