「AIは使えるようになったけど、これからのキャリア、どう進めばいいんだろう…」って悩んでる人いませんか?
第3回では、営業・マーケ・人事・経理など、自分の職種にAIを掛け合わせる方法を紹介しました。
実際にAIを業務に取り入れ始めた方もここ1年で大幅に増えているはずです。
ただ、そこから先のキャリアの地図がぼんやりしている、イメージがあまり湧かない、という方もいると思います。
「このまま今の仕事を続けるべきか」
「AI関連の職種に転職したほうがいいのか」
「そもそも自分にどんな選択肢があるのか」
こうした悩みが出てくるのは自然なことです。
そこで今回は、AIで広がるキャリアの全体マップを整理してみます。
結論を先に言うと、道は1つではありません。
3つの方向性があって、自分に合う組み合わせを選んでいけば大丈夫✨
AIで仕事が変わる、その実態を整理してみる📊
まず、世界と日本でいま何が起きているかをデータで見ておきます。
世界経済フォーラム(WEF)が2025年1月に公表した「Future of Jobs Report 2025」によれば、2030年までに世界で1.7億件の新規雇用が生まれる一方で、9,200万件の雇用が消失すると予測されています。
差し引きで7,800万件のネット増加です。
同レポートでは、労働者の44%のコアスキルが今後5年で変化するとも報告されています。
「消える」ではなく「変わる」
これがAI時代の労働市場の現実です。
日本国内でも変化は明確です。
マイナビ転職のデータでは、2026年時点でAI関連の求人数は24,726件、前年比約1.5倍に拡大しています。
特に生成AI関連のポジションに限れば前年比約2倍という伸びを示しました。
求人ボックスでもプロンプトエンジニア・生成AI関連の求人は1,800件超に達しています。
ここで強調したいのは、これらの求人がすべて「コードを書けるエンジニア」を求めているわけではないという点です🔍
実際、AI関連の仕事には大きく3つの方向性があります。
今の職種を極める道(極める)
関連職種に染み出す道(染み出す)
AIに深く関わる道(深く関わる)
順番に見ていきましょう。
方向性①:今の職種を極める道🎯
最初の道は、第3回で紹介した「自分の職種×AI」を、さらに深掘りしていく方向です。
たとえば、
営業なら「AIを使いこなす営業」として準備時間を圧縮し、関係構築に集中する。
マーケターなら「AIで100案出して1つ選び抜く」スタイルで質を上げる。
人事なら「AIで定型業務を圧縮し、戦略人事の役割に時間を使う」ように仕事の構造を変えていく。
この道のメリットは3つあります。
これまで積み上げた業界知識・実務経験がそのまま活きる
転職リスクが最も低く、社内昇進や同職種転職で評価されやすい
「AIを使いこなす〇〇」として、人材市場での希少性を高めやすい
注意点も1つあります。AIを使うだけでは、もう差がつきにくくなってきているという事実です。第3回でも触れたように、AIを業務で「使える」人は急速に増えています。ここから1段抜けるには、AI活用を自分の言葉で語れること、成果や時間短縮を数字で示せることがポイントになります💪
向いている人:
今の仕事に手応えを感じている
業界知識・人間関係を捨てたくない
安定的にキャリアを伸ばしたい
方向性②:関連職種に染み出す道🌱
2つ目は、今の職種から地続きで、隣接領域に染み出していく道です。完全な異業種転職とは違って、これまでの経験を土台にしながら、より需要の高い領域にスライドしていくイメージです。
職種別に染み出しパターンを見てみます。
マーケ → デジタルマーケ、グロースハッカー、コンテンツストラテジスト
人事 → HRBP、ピープルアナリティクス、人材開発、採用DX推進
経理 → FP&A(経営分析)、経営企画、財務、DX推進
営業 → カスタマーサクセス、Revenue Operations、セールスイネーブルメント
事務 → 業務改善・DX推進担当、社内AI活用推進
カスタマーサポート → AI活用カスタマーサクセス、ナレッジマネジメント担当
ここでのキーワードは「地続き」です🧭
たとえばマーケから完全に未経験のエンジニアになるのは大きな飛躍ですが、デジタルマーケへの染み出しなら経験を活かしやすい。
経理からFP&Aへの染み出しも、簿記の知識やExcel運用の経験が直接活きます。
メリットは、今の経験を活かしつつ、より伸びている領域に身を置けること。
実際、マイナビ転職のデータが示すように、AI関連やDX推進系の求人は急増しています。
「AI×自分の専門」を持っていれば、染み出しの選択肢は意外と豊富です。
注意点は、染み出し先の業界知識・専門用語を一定インプットする必要があること。
完全に新しい分野ではない分、油断しがちですが、求人票の要件をよく確認して、足りない部分は副業や社内プロジェクトで補う動きが効きます。
向いている人:
今の職種に頭打ち感がある
変化を楽しめるタイプ
「ちょっと違うこと」を試したい気持ちがある
方向性③:AIに深く関わる道🚀
3つ目は、AI技術そのものに深く関わっていく道です。ここは大きく2つに分かれます。
非エンジニア系の道として、プロンプトエンジニア、AIプランナー、AIコンサルタント、AI推進担当などがあります。シゴトAIのデータによると、AI企画・活用推進系の求人は2017年比で約2.5倍に拡大しているとされています。これらの職種はプログラミングスキルが必須ではなく、ビジネス課題をAIで解決する企画・設計・推進が中心です。
エンジニア系の道は、さらに2タイプに分かれます。
エンジニア(AI活用):
OpenAI・Anthropic(Claude)などのAPIを使って、AIを組み込んだサービスを開発する人。「AIを作る」のではなく「AIを使って価値を出す」側ですAIエンジニア(機械学習エンジニア):
AIモデルそのものを開発する人。データから学習する仕組みを設計し、精度を高める研究開発寄りの仕事です
両者は混同されがちですが、求められるスキルセットも年収レンジも違います。AI活用エンジニアは生成AIサービスの応用が中心で、エンジニアリングの基礎があれば参入しやすい領域。AIエンジニアは数学・統計・機械学習の専門知識が必要で、未経験からの道のりは長くなります💡
メリットは、伸びている領域に直接身を置けること。WEFのレポートでも、世界的に最も急成長している職種としてビッグデータ専門家、フィンテックエンジニア、AIと機械学習専門家の3つが挙げられています。
注意点は、覚悟が必要な道だということ。学習コストが高く、未経験から参入する場合は時間とエネルギーをかなり投入する必要があります。今の業界での経験はリセットされる部分も大きい。「AIに惹かれる」だけで飛び込むのは危険で、自分の特性と相談する必要があります。
向いている人:
AI技術そのものに強い興味がある
学習に時間とエネルギーを投入できる
キャリアチェンジの覚悟がある
自分はどの道に向いている?👀
「3つの方向性は分かった。じゃあ自分はどれ?」というのが、いちばん気になるところですよね。
3つの道を選ぶときに特に効いてくるのが、2つの軸です。
軸1:変化を楽しめるタイプか、安定を求めるタイプか
軸2:自分で動くタイプか、環境に乗っていきたいタイプか
この2軸で、向きやすい道がだいたい見えてきます。
変化を楽しめて、かつ自分から動けるタイプの人は、3つ目の「深く関わる道」が向きやすい。
新しい技術への学習意欲と、自分でキャリアを設計していく主体性、どちらも必要だからです。
変化は楽しめるけれど、自分から動くより環境に乗っていきたいタイプの人は、2つ目の「染み出す道」がフィットしやすい。
今の職種の延長線上で、社内異動や転職を通じて自然に次の領域に移っていける動き方です。
安定を求めつつ、自分で動くタイプの人は、1つ目の「極める道」で力を発揮しやすい。
今の職種の中でAIを武器に深掘りし、社内での存在感を高めていく道です。
安定派で、環境にも乗っていきたいタイプの人も、まずは「極める道」が無難。AIを使いこなせるようになっておけば、会社の方針が変わっても対応しやすくなります。
ただ、この2軸だけでは語りきれない部分も当然あります🧭
たとえば「変化は怖いけど好奇心は強い」「安定派だけどストレスにめちゃくちゃ強い」みたいに、複数の特性が組み合わさるのが実際の人間です。
こうした自分の特性を整理しておくと、3つの道のどれを選ぶかの判断精度が確実に上がります。
キャリパのメンタルタイプ診断(40問・5〜10分・無料)では、Big Five+グリット理論+レジリエンス理論をベースにした8軸で、自分の特性を可視化できます。「変化を楽しめるか」「自分で動けるか」だけでなく、やり抜く力、ストレス耐性、好奇心、情緒安定性などを多角的に見られるので、キャリア方向性の判断材料として使えます。
https://caripa.talentier.jp/diagnosis-mental
道は1つに決めなくていい💬
ここまで3つの道を整理してきましたが、実は1つに絞らなくていいというのが、いちばん重要なポイントかもしれません。
実際のキャリアでは、3つの道を組み合わせている人が多いです。たとえばこんなパターン:
まず①「極める道」で今の職種でAI活用の実績を作る。3年後、その経験を持って②「染み出す道」に移る
①と②を並行して進める。本業で実績を作りつつ、副業で関連領域に染み出してみる
②「染み出す道」を3年経験した後、③「深く関わる道」に進む。AI推進担当として実績を作ってから、AIコンサルにキャリアチェンジ
道は順番に通っていい。同時に試してもいい。途中で軌道修正もできる。実際、AI関連職種への転職組には、最初から技術畑だった人より、別職種からの転職組のほうが多いケースもあります🌟
ただ、どの道を選ぶにしても共通して効いてくるのが、自分の現在地を整理しておくことです。
これまでの経験を市場の言葉で書き出してみると、「あれ、自分は意外とこっちの道に向いているかも」と気づくこともあります。自分のことを過小評価していた経験や、業界の中では当たり前すぎて見落としていた強みが、別の道では大きな武器になることも多いです。
キャリパは完全無料のAI履歴書・職務経歴書作成サービスです。業務経験を箇条書きで入力すると、AIが採用市場で評価される粒度で書類を作ってくれます。「次の道を選ぶ前に、まず今の自分を可視化しておきたい」という用途にも使えます。
https://caripa.talentier.jp/
次回予告🌟
次回の第5回(最終回)では、ここまで整理してきた「AIスキル」と「キャリア選択肢」を、いよいよ転職市場に出す方法を整理します。
職務経歴書でAI活用経験をどう書けば評価されるのか。面接でAI関連の質問にどう答えるべきか。第1回から第4回までの内容を、すべて転職活動に繋げる集大成編です。
今回紹介した3つの道のうち、自分はどれに惹かれましたか?どれが「やってみたい」と感じましたか?まずはその直感を大切にしてみてください🚀
出典
World Economic Forum「Future of Jobs Report 2025」(World Economic Forum・2025年1月)
URL: https://www.weforum.org/publications/the-future-of-jobs-report-2025/
マイナビ転職「AI関連求人動向(2026年)」関連報道
URL: https://tenshoku.mynavi.jp/
求人ボックス「プロンプトエンジニア・生成AI求人」(2026年)
URL: https://求人ボックス.com/
シゴトAI「AIプランナーとは?2026年の求人動向・年収・未経験からなる方法」(2026年)
URL: https://shigoto-ai.net/job/ai-planner-kyujin-nenshu-2026/